「朗讀」雪夜故事(3)

日語 教育 陪讀日語 陪讀日語 2017-10-25

「朗讀」雪夜故事(3)

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白い雪道に白い新聞包を見つける事はひどくむずかしい上に、雪がやまず降り積り、吉祥寺の駅ちかくまで引返して行ったのですが、石ころ一つ見あたりませんでした。溜息をついて傘を持ち直し、暗い夜空を見上げたら、雪が百萬の蛍(ほたる)のように亂れ狂って舞っていました。きれいだなあ、と思いました。道の両側の樹々は、雪をかぶって重そうに枝を垂れ時々ためいきをつくように幽(かす)かに身動きをして、まるで、なんだか、おとぎばなしの世界にいるような気持になって私は、スルメの事をわすれました。はっと妙案が胸に浮びました。この美しい雪景色を、お嫂さんに持って行ってあげよう。スルメなんかより、どんなによいお土産か知れやしない。たべものなんかにこだわるのは、いやしい事だ。本當に、はずかしい事だ。

人間の眼玉は、風景をたくわえる事が出來ると、いつか兄さんが教えて下さった。電球をちょっとのあいだ見つめて、それから眼をつぶっても眼蓋(まぶた)の裡にありありと電球が見えるだろう、それが証拠だ、それに就いて、むかしデンマークに、こんな話があった、と兄さんが次のような短いロマンスを私に教えて下さったが、兄さんのお話は、いつもでたらめばっかりで、少しもあてにならないけれど、でもあの時のお話だけは、たとい兄さんの噓のつくり話であっても、ちょっといいお話だと思いました。

要在雪白的雪地裡找到白色的報紙是有很大難度的,雖然我回到了吉祥寺車站的附近,卻什麼都沒有找到。我嘆著氣,重新撐起傘,試著仰望陰暗的夜空,此時雪花就像百萬只螢火蟲般,狂亂地飛舞。好漂亮啊!道路兩旁的樹木都覆蓋著雪,沉重地垂著枝頭,樹身彷彿在嘆息般,偶有微微地抖動。這一切簡直就像童話世界一樣,我內心突然有一個奇想,想把這美麗的雪景帶給嫂嫂。比起魷魚乾,這說不定是更好的禮物。

哥哥告訴我,人的眼睛可以儲存風景。盯著燈泡看,之後就算閉上眼睛,眼皮上也能感覺得到燈泡霹靂霹靂的閃亮,這就是證據。哥哥還講了丹麥的一個故事以此來證實這個真理,雖然哥哥講的話是不能當真的,但是,對於這個短小充滿浪漫的故事,就算是謊話,我也想去相信。

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